お子様の成長とともに訪れる大切な時期、それが歯の生え変わりです。この時期を上手に乗り越えるために、親として知っておくべき重要なポイントがあります。今回は、子供の歯の生え変わりに関する7つの重要なポイントについて詳しく解説していきます。

文責


金子 宗嗣(かねこ むねつぐ)

経歴
2011年
九州大学歯学部 卒業
2012年
聖マリア病院歯科口腔外科にて歯科臨床研修修了
福岡県内の歯科医院にて勤務医、分院長として診療に従事
2022年
藤崎かねこ歯科クリニック開院

1. 生え変わりの時期を把握しよう

子供の歯の生え変わりは、一般的に6歳頃から始まります。最初に生えてくる永久歯は、第一大臼歯(奥歯)で、6歳臼歯とも呼ばれています。その後、前歯から順に生え変わっていき、12歳頃までにほとんどの永久歯が生えそろいます。ただし、個人差が大きいので、お子様の発育状況によっては前後する場合があります。早すぎたり遅すぎたりする場合は、歯科医院での相談をおすすめします。

2. 生え変わりの順番を理解しよう
永久歯への生え変わりには、一定の順番があります。一般的な順序は以下の通りです。
1. 下の前歯(中切歯)
2. 上の前歯(中切歯)
3. 上下の側切歯
4. 第一小臼歯
5. 犬歯
6. 第二小臼歯
7. 第二大臼歯
この順序を知っておくことで、お子様の歯の生え変わりの進行状況を把握しやすくなります。

3. 乳歯の重要性を認識しよう
乳歯は永久歯に生え変わるまでの「仮の歯」ではありません。乳歯は、顎の発育や永久歯の正しい生え方に重要な役割を果たします。そのため、乳歯のケアも永久歯と同様に大切です。虫歯や早期脱落を防ぐために、乳歯の段階から正しい歯磨き習慣を身につけさせましょう。

4. 生え変わり時の口腔ケアに注意しよう
歯の生え変わり時期は、乳歯と永久歯が混在する状態になります。この時期は特に丁寧な歯磨きが必要です。永久歯が生えかけの状態では、歯ブラシが届きにくい部分があるため、虫歯になりやすくなります。歯ブラシの選び方や磨き方について、歯科医師のアドバイスを受けるのも良いでしょう。また、フッ素入り歯磨き粉の使用も効果的です。

5. 歯並びの変化に注目しよう
生え変わりの過程で、一時的に歯並びが乱れることがあります。これは正常な現象ですが、永久歯が生えそろった後も歯並びが気になる場合は、矯正治療の必要性を検討する良いタイミングです。早期の矯正治療は、将来的な歯並びの問題を予防できる可能性があります。気になる点があれば、小児歯科や矯正歯科での相談をおすすめします。

6. 永久歯の萌出遅延に注意しよう
永久歯の生えるタイミングには個人差がありますが、同年代の子供と比べて著しく遅れている場合は、注意が必要です。永久歯の萌出遅延の原因には、以下のようなものがあります。

• 栄養不足
• ホルモンバランスの乱れ
• 遺伝的要因
• 乳歯の早期喪失や晩期残存
萌出遅延が疑われる場合は、歯科医院での精密検査を受けることをおすすめします。

7. 生え変わり時の違和感や痛みに対処しよう
永久歯が生えてくる際、お子様が違和感や痛みを訴えることがあります。これは正常な反応ですが、お子様の不快感を和らげるためにできることがあります。

• 冷たいものを食べたり飲んだりする
• やわらかい食事を提供する
• 必要に応じて市販の痛み止めを使用する(ただし、使用前に医師や薬剤師に相談すること)

生え変わりに関するよくある質問
• 歯がなかなか生えてこない場合はどうすればいいですか? 歯が生えてくる時期には個人差があります。様子を見て、気になる場合は歯科医に相談しましょう。
• 歯並びが気になる場合はどうすればいいですか? 生え変わりが終わってから、歯並びの状態を診てもらい、矯正治療が必要かどうかを判断しましょう。
• 乳歯がなかなか抜けない場合はどうすればいいですか? 無理に抜こうとせず、歯科医に相談しましょう。

痛みが長引いたり、激しくなったりする場合は、歯科医院での診察を受けましょう。子供の歯の生え変わりは、お子様の成長における重要なマイルストーンです。この7つのポイントを押さえておくことで、お子様の健康的な歯の発育をサポートできます。定期的な歯科検診と適切なホームケアを組み合わせることで、お子様の素敵な笑顔を守りましょう。歯の健康は全身の健康にもつながります。お子様の歯の生え変わりを見守りながら、家族全員で歯の健康に対する意識を高めていくことが大切です。疑問や不安がある場合は、遠慮なく歯科医師に相談してください。お子様の健やかな成長のために、歯の生え変わりを大切な機会として捉えましょう。

藤崎かねこ歯科クリニック