子どもの健康な歯を守ることは、親の重要な役割の一つです。虫歯は子どもの健康と成長に大きな影響を与える可能性があるため、早期からの予防が非常に重要です。この記事では、子どもが虫歯になりやすい3つの主な原因と、それらを予防するために親ができることについて詳しく解説します。

文責

金子 宗嗣（かねこ むねつぐ）

経歴
2011年
九州大学歯学部 卒業
2012年
聖マリア病院歯科口腔外科にて歯科臨床研修修了
福岡県内の歯科医院にて勤務医、分院長として診療に従事
2022年
藤崎かねこ歯科クリニック開院

子どもが虫歯になりやすい3つの主な原因

1. 乳歯の構造的な脆弱性
乳歯は永久歯と比べて構造的に弱く、虫歯になりやすい特徴があります。
• エナメル質が薄い：乳歯のエナメル質は永久歯の半分程度の厚さしかありません。
• 歯質が柔らかい：乳歯は永久歯よりも柔らかく、酸に弱い性質があります。
• 虫歯の進行が早い：乳歯は薄いため、一度虫歯になると進行が非常に速くなります。

2. 不適切な食生活習慣
子どもの食生活習慣も虫歯のリスクを高める大きな要因となります。
• 頻繁な間食：ダラダラと間食をすることで、歯が酸にさらされる時間が長くなります。
• 甘い食べ物や飲み物の過剰摂取：糖分は虫歯菌の栄養源となり、虫歯のリスクを高めます。
• 就寝前の飲食：夜間は唾液の分泌が減少するため、就寝前の飲食は特に危険です。

3. 不十分な歯磨き
子どもの歯磨き習慣が不適切であることも、虫歯の大きな原因となります。
• 歯磨きの技術不足：子どもは自分で十分に歯を磨くことが難しいです。
• 磨き残し：奥歯や歯と歯の間など、磨きにくい部分に虫歯ができやすくなります。
• 不規則な歯磨き習慣：食後すぐに歯を磨かないと、虫歯のリスクが高まります。

子どもの歯を守るための親の役割

1. 適切な食生活の管理
子どもの食生活を管理することは、虫歯予防の重要な一歩です。
• 間食の時間と量を制限する：決まった時間に適量の間食を与えましょう。
• 糖分の少ない食品を選ぶ：果物やイモ類など、虫歯になりにくい食品を選びましょう。
• 水分摂取を促す：水やお茶を飲むことで、口内を洗浄し、唾液の分泌を促します。

2. 正しい歯磨き習慣の確立
子どもの歯磨き習慣を確立することは、親の重要な役割です。
• 仕上げ磨きを行う：小学生の中学年くらいまでは、親が仕上げ磨きを行いましょう。
• 歯磨きの時間を決める：食後30分以内に歯を磨く習慣をつけましょう。
• 歯磨き指導を受ける：歯科医院で正しい歯磨き方法の指導を受けましょう。

3. 定期的な歯科検診
定期的な歯科検診は、早期発見・早期治療につながります。
• 6ヶ月ごとの定期検診：半年に1回は歯科検診を受けましょう。
• フッ素塗布：歯科医院でのフッ素塗布は、歯質を強化し虫歯を予防します。
• 早期治療：小さな虫歯のうちに治療することで、進行を防ぐことができます。

4. 虫歯菌の感染予防
虫歯菌の感染を防ぐことも、親の重要な役割です。
• 食器の共用を避ける：子ども専用の食器を用意しましょう。
• 口移しを控える：食べ物の口移しは避けましょう。
• 親自身の口腔ケア：親が虫歯菌を減らすことで、子どもへの感染リスクを下げられます。

5. 口腔環境の整備
子どもの口腔環境を整えることも、虫歯予防に効果的です。
• 口呼吸の改善：口呼吸は口内を乾燥させ、虫歯のリスクを高めます。鼻呼吸を促しましょう。
• 唾液分泌の促進：よく噛む食事を心がけ、唾液の分泌を促しましょう。
• ストレス管理：ストレスは唾液の分泌を抑制するため、適切なストレス管理が重要です。

まとめ
子どもの歯を守るためには、親の積極的な関与が不可欠です。適切な食生活管理、正しい歯磨き習慣の確立、定期的な歯科検診、虫歯菌の感染予防、そして口腔環境の整備など、多角的なアプローチが必要です。これらの取り組みを日々の生活に取り入れることで、子どもの健康な歯を守り、将来的な歯の問題を予防することができます。子どもの歯の健康は、全身の健康にも大きく影響します。親として、子どもの歯を守る重要性を理解し、積極的に取り組んでいきましょう。子どもの歯の健康は、親の愛情と努力によって守られます。この記事を参考に、お子さまの健康な歯と笑顔を守るための第一歩を踏み出してください。

藤崎かねこ歯科クリニック