子供の歯ぎしりを聞いて心配になったことはありませんか？実は、子供の歯ぎしりは珍しいことではありません。むしろ成長過程で自然に起こる現象であることが多いのです。この記事では、子供の歯ぎしりの原因や対策について詳しく解説していきます。
子供の歯ぎしりはいつから始まる？
子供の歯ぎしりは、通常、生後8〜10ヶ月頃から始まります。
これは乳歯が生え始める時期と一致しています。多くの場合、2歳半頃までに自然と収まりますが、個人差もあります。

文責

金子 宗嗣（かねこ むねつぐ）

経歴
2011年
九州大学歯学部 卒業
2012年
聖マリア病院歯科口腔外科にて歯科臨床研修修了
福岡県内の歯科医院にて勤務医、分院長として診療に従事
2022年
藤崎かねこ歯科クリニック開院

 

子供の歯ぎしりの主な原因
子供の歯ぎしりには、いくつかの原因が考えられます。

1. 成長痛や顎の発達
歯や顎が成長する過程で、歯の噛み合わせが変化し、それに伴って歯ぎしりが起こることがあります。

2. ストレスや不安
学校や家庭内でのストレスが原因で、無意識に歯ぎしりをしてしまう場合があります。

3. 噛み合わせの不良
噛み合わせのずれや歯並びの悪さも歯ぎしりの原因となり得ます。

4. アレルギーや呼吸障害
アレルギーや慢性的な鼻詰まりがある場合、口呼吸をしてしまい、結果的に歯ぎしりを引き起こすことがあります。

5. 歯が生え始めることによる痒み
歯が生え始めると、口の中がむずむずとします。その痒みを解消するために、自然と歯ぎしりをしてしまうことがあります。

子供の歯ぎしりは心配すべき？
基本的に、子供の歯ぎしりは心配する必要はありません。むしろ、成長の証と捉えることができます。歯ぎしりを通じて、以下のような効果が期待できます。

1. 顎の位置の調整
2. 永久歯のスペース確保
3. 顎の筋肉の強化

歯ぎしりが心配な場合の対策

しかし、以下のような場合は注意が必要です。

1. 6歳を過ぎても続く歯ぎしり

永久歯に生え変わる時期を過ぎても歯ぎしりが続く場合は、歯科医に相談することをおすすめします。

2. 歯が欠けたり、著しく摩耗している場合
歯が欠けたり、極端に摩耗している場合は、歯科医の診察を受けましょう。

3. 顎に痛みや違和感がある場合
顎関節症の症状が現れている可能性があります。早めに専門医に相談しましょう。

家庭でできる歯ぎしり対策
子供の歯ぎしりを軽減するために、家庭でできる対策をいくつか紹介します。

1. ストレス解消
子供とのコミュニケーションを増やし、ストレスを軽減させましょう。

2. 睡眠環境の改善
十分な睡眠時間を確保し、快適な睡眠環境を整えましょう。

3. よく噛む習慣づけ
噛みごたえのある食事を取り入れ、よく噛む習慣をつけさせましょう。

4. 正しい姿勢の維持
猫背や頬杖をつく習慣は、顎に負担をかけます。正しい姿勢を心がけさせましょう。

5. 仰向けで寝る習慣づけ
横向きやうつ伏せで寝ると、顎に負担がかかりやすくなります。仰向けで寝る習慣をつけさせましょう。

歯科医院での治療法
家庭での対策で改善が見られない場合は、以下のような治療法があります。

1. 歯列矯正
歯並びや噛み合わせの改善を通じて、歯ぎしりの軽減が期待できます。

2. ナイトガード
就寝時に装着する透明のマウスピースで、歯の摩耗を防ぎます。

まとめ
子供の歯ぎしりは、多くの場合、成長過程で自然に起こる現象です。基本的には心配する必要はありませんが、長期間続く場合や、歯や顎に明らかな影響が出ている場合は、専門医に相談することをおすすめします。家庭でできる対策を試しながら、子供の成長を見守っていきましょう。歯ぎしりは、子供の口腔の健康に注目するきっかけにもなります。定期的な歯科検診を通じて、お子様の健やかな成長をサポートしていきましょう。子供の歯ぎしりについて心配なことがあれば、遠慮なく歯科医院にご相談ください。専門家のアドバイスを受けることで、適切な対応が可能になります。お子様の健康な笑顔のために、一緒に最適な方法を見つけていきましょう。

藤崎かねこ歯科クリニック